例年、ゴキブリを見つけるや否や、即座に、悪の芽は摘まなければならないという心持ちで持ってして、全力でその退治に取り掛かっていたのであるが、どうにも今年はそういう気力すらもわかず、いつもとは異なるアプローチに打って出た。
その、いつもとは違うアプローチはつまり、以下のようなアプローチである。
「ゴキブリを見つけても、あたかも、居なかったかのように振る舞い、脳内から存在を消してしまう」
ついに退治することすらもダルくなってしまったこの男は、無気力ならではの、最初から存在を無かったことにしてフツーに生活する、という手段を取ってしまった。
人間としてMPが低すぎて死にかけているのをG (じ)っかんする。