10/19(土)。この日は未来ワークがコンカへに嵌って11周年だった。和久田市未来町の中央広場には、未来ワークが身長162センチ体重80キロだった頃の銅像が建てられ、昼間はその周りで祭りが催されていた。昼間なのに盆踊りのドラえもん音頭が流れ、コンカへキャストや地下アイドルが太鼓を叩いたり盆踊りを踊りつつ、オタクたちはシシケバブや、どちらかと言えば表面がカリカリでなくベチャベチャしたタコ焼きをほうばりながら(大抵、タコ焼きは中が熱く、一口でほうばるオタクは熱さに耐えられず、フードファイター小林尊のデビュー戦である2000年秋のTVチャンピオン大食い選手権で岸義行が彼にそうアドバイスしたように、途中で水を飲まずにはいられなかった)、推しのコンカへキャストか地下アイドルを一眼レフカメラのようなガジェットで撮影していた。
というような景色を思い浮かべつつ、当の本人はお金が無いので、タリーズでルソーの社会契約論を読んでいた。途中、スーツを着た4〜50代と見える3人組がとなりの席に現れ、日本とアメリカの考え方の違いや、どうなったら日本が良くなるかや、教育論について語りはじめ、ホスト役と化していた一人は声優のような声質だった。つまり、読書に全く集中できず、ただでさえ集中しても内容の理解に苦労する本なのに、その間に読んだページは、特に字面を追うだけの格好となってしまった。
それで、これ以上は耐えられなくなり、電車に乗って少し移動し、ドトールに向かった。ドトールバリューカードのポイントが無くなっていたので、1万円チャージし、この前は700ポイントだったのに今回は1000ポイント付き、違いが分からなかった。駅からドトールに向かう途中の横断歩道前で、赤信号が青信号に切り替わるのを待っていた30秒ほどの間、右隣には金髪ストレートで小柄な、若くて可愛い女性が立っているなぁなどと気づいたその刹那、彼女の右隣には、現代風の格好をし、痩せ型で遊び人風の男性が現れ、彼女にこう話かけた。
「お姉さん、一つ、一つだけ聞いてもいいですか?一つだけ聞いてもいいですか?」
知り合いではなくナンパだった。彼女は無視をして、信号が青になると同時に速足で目的地へ向かってしまった。あれほどの、現代風のイケメンに見え若い男性ですらナンパをしなければ女性を獲得できないのか。もう日本はそのうち消滅するだろう。だがボクには、彼は勇敢な戦士に見えた。
ドトールで社会契約論の続きを読み始めると、左隣の若いカップルがキスをしはじめ、右隣では、それよりは少し年上のナオンが、椅子の上に体育座りをして、ジーパン姿だから良かったものの、スカートであればなかなか際どいことになっており、そんなナオンが、宅建のテキストを読んでいた。ボクもママンから宅建を取ることを勧められたが、当面は数学の勉強をしている。
家に帰り、KらちゃんとFわるちゃんがTikTokライブをはじめたので視聴していたら、どうにも、歌舞伎町だからなのかネットだからなのか、下ネタ満載のアカウントが彼女たちを蹂躙しており、彼を無視するために、ボクは書き込みを連続で投稿、いわゆる連投をした。Kらちゃんは、髪を紫に染めたてで、かわいかった。