冴えないボクの生(性)活

2ちゃんねる大学生活板出身の冴えない男の駄文。

鋭い眼光の爺さんに濡れ衣を着せられた男

 たいした問題でもないのだけれども、昨日、電車に乗り座席に腰掛けていた最中、自販機で買ったペットボトルの水を飲んでいた。サイズは小さい方で、おそらく280〜350mlぐらいの筈だ。この未来ワークは、血液が凝固し血栓ができるのをつねに恐れているため、暇な時間はいつも水を飲んでいる。それで、水を飲み終えたあと、ボクは本が読みたかった。カバンは小さく、空きペットボトルをいれることは出来ず、手にペットボトルを持ったままでは読書に集中できないため、ちょうど端の席だったのもあり、座席と手すりがぶつかり合い、直角となっている場所の隙間に、ペットボトルを置いて、本を読むことにした。もちろんそのあと、目当ての駅に着く頃にはペットボトルをもって、駅のゴミ箱に捨てた。

 ふと、10年くらい前にも同じようにした時に問題が発生したのを思い出した。その時はまだ病気にも罹っておらず、健康意識も低かったため、飲んでいたのは清涼飲料水だったかもしれない。ちょっと記憶が無いが、ボクは同じように本が読みたかったのか、窓のところにあるスペースにペットボトルを置いていた。そうして、目的の駅に到達し、立ち上がったその刹那。いきなり怒声が聞こえてた。

「おい!ポイ捨てするな!ちゃんと持ち帰れ!!!」

 目の前に、白髪の爺さんが、鋭い眼光でボクを睨みつけていて、どうにも、声の主は彼のようだった。爺さんといっても、なにか武道でもやってそうな雰囲気だった。爺さんは、正義感に満ちた顔でボクを睨みつけており、ボクが倫理観の低い情け無い若者であることを望んでいる、いわゆる正義の棍棒を振り翳したがっているかのようにみえた。完全に濡れ衣を着せられた未来ワークだったが、流石のボクも向っ腹がたち、「おいおい!どうしてボクがゴミを置き去りにすると思ったんだ!まだその現場をみてないだろ?あんた!馬鹿じゃないか!クソジジイ!!!」なぞと、自分の名誉を取り戻すために怒鳴り返すことなぞは当然出来ず、ニタニタしながら、「は、はひっ……」と蚊の鳴くような声情け無い声を発し、そそくさと電車を後にした。過去のことをいつまでも引き摺る自閉症なので、何かがトリガーとなってたまにこのことを思い出してしまう。