未来ワークはイキりオタクであり、おそらくコミュニケーション能力が平均以上で容姿も悪くない若い男性であれば大体できるであろう、「コンカフェのナオンと繋がる」ということが出来ただけでまるで世界の覇権は自分が握っているんだぞ、幸運は自分に味方をしているのだ、というような気持ちに浸っていた小規模な男だ。
しかし、継続的な関係を持つにつれ、状況は繋がる前と大して変わらないということがわかってきた。
結局のところ、インターネッツナオンとは仲良くなりたい、新しいナオンに出会いたい、セックスがしたいという気持ちは全く変わっていないし、オナニーもいっぱいしている。以前と、何も、変わりはしないのだ。
相変わらずラーメンは食べるし、ドトールにもいく。ツイッターで「これイケるんちゃう?」と思ったツイートはいつもどおりバズらないし、部屋にゴキブリはでる。
ただ一つ言えるのは、ろくな人生を送らず、成功体験が皆無のこのキモい人間に、自己肯定感が芽生えたというのはあるとおもう。
自分は才能もないし顔もキモく身長も低く頭も悪く気も弱いし、齢32にして血栓で死亡しかけた上に糖尿病の疑いもあり、発達障害の傾向もあるが、幸運だけは味方をしていると思える。自分はツイている人間だと思えることは、おそらく人生の中でかなり大事な要素だろう。
※用語解説
コンカフェ・・・コンセプトカフェの略。メイドカフェや、忍者カフェ、探偵カフェなど、コンセプトがあるお店のこと。秋葉原や池袋、新宿によくある。
ナオン・・・女。
繋がる・・・お店では禁止されているのに連絡先を交換しプライベートで会うなどすること。