この自粛期間中、生活範囲のコンビニやスーパー・マーケット、町の個人経営の定食屋などには外出していたが、当たり前ではあるが、ナオンが華美な姿をして歩く姿は見当たらなかった。
その日、この体が弱い男は、近所のコンビニで飲酒のつまみに素焼きアーモンドとチーズを購入後、いつもと違う道を通り、自宅に向かうと、中学生か高校生と思しき、清楚な雰囲気のナオンが街を歩いており、水玉模様の、赤いミニスカートを履き、彼の目の前を通りすぎた。
この男は、振り返り、十字路の真ん中で彼女に見惚れていると、ウーバーイーツの配達員にスポーティーな自転車で引かれ、頭を打って、救急車で運ばれたが、新型コロナウィルスの影響で病床に空きがなく、受け入れ不能のうちに、死亡した。
